ペット予防医療センターでは、総勢およそ160名あまりのスタッフが
各地の診療所や動物病院で日々、仕事に励んでいます。
現場で活躍する気鋭のスタッフにインタビューを行いました。
SANAE ISOGAI
獣医師/アリオ上田診療所磯貝 早苗
ペット予防医療センターに入社するまでの略歴を教えてください。
磯貝:大学を出て5年間、地方公務員として保健所に勤務しました。子供ができたのを機に退職して、それから10年間は専業主婦です。主人が自営業をしているので、子供をおんぶして手伝いに出たりしながら3人の子供を育てました。そんなとき、たまたま飼っていた犬がケガをしまして。診ていただいた動物病院に誘われる形で勤務医になり、結局2カ所の病院でトータル8年勤めることになりました。
磯貝:前に勤めていた動物病院はすごい数の患者さんを診察するところでした。数年経つうちにだんだん「これでいいのかしら?なんだか自分のやりたいことと違う…」というズレを感じ始めて、じっくり飼い主さまと向き合える職場を探しました。求人サイトを見ていたらペット予防医療センターが条件にぴったりだったので応募したんです。
実際に勤務してみた感想を教えてください。
磯貝:とにかく私にすごく合っていると思いました。私、人と話をするのがすごく好きなんです。一言で言うとやりたかったことが初めてここでできたって感じです。
今はたとえばフィラリア薬にもさまざまな製品がありますから、お客さまにきちんと説明して選んでいただきます。ノミマダニの危険性についても丁寧にお話ししたり、マダニ感染のニュース等を全部可視化して見えるように印刷して、一カ月おきに来る飼い主さんには毎月違う情報をご提供したり、そうやって「どうしたら飼い主さまに伝わるかな」と工夫して共有することで、付加価値の高いほうを選んでくださる飼い主さまが圧倒的に多いんですよね。
お金があってもなくても飼い主さまにはそれぞれニーズがあって、最適なアドバイスを求めていると思うんです。飼い主さまとの信頼関係を築くことによって、飼い主さまの欲しい情報を提供する場になれます。これはペット予防医療センターだからこそ出来ることだと思います。
飼い主様と信頼関係を築いて、気軽に相談できる場になる。
それが一番のやりがいになっています。
ペット予防医療センターの良いところを教えてください。
磯貝:飼い主さまとの距離が近いところだと思います。飼い主さまたちからすると個人病院はどうしてもちょっと敷居が高いんです。待ち時間もありますし、敷居が高いと不安に思っていることがあっても相談することをためらってしまうんです。0.5次診療だと気軽に来れるので相談しやすかったり、予約制で待つ時間も少ないので、そこが飼い主さまたちとの距離の近さにつながっています。
また、ショップに併設されていて利便性も高いので、毎月ドックフードを買いに来るついでに来院される方や、19時までやっているので仕事終わりに来られる方もいます。忙しい方でも来やすいところもメリットだと思います。
先生にとってのやりがいを教えてください。
磯貝:飼い主様と信頼関係を築くことによって気軽に相談できる場になって、飼い主さまも来院を楽しみにしてくれる。それが一番のやりがいになっています。
予防薬は4月頃に1年分まとめて処方することもありますが、私はまとめて処方することにはこだわらず、3ヶ月分など飼い主さまのご希望に合わせて処方しています。なかには高速道路を片道1時間半かけていらっしゃる方もいて、「高速代がもったいないから、フィラリアのお薬はまとめてお出ししておきますね」と言うと「いやいや、毎月診てほしいから来ます」と言って貰えて。
今では、この診療所を任せてもらえて本当によかったなと思っています。
仕事と子育ての両立において、ペット予防医療センターに在籍するメリットを教えてください。
磯貝:子育て支援給付金を頂けるということが大きかったです。
あとは予約制なので予定が立てやすいというところです。学校は4月頃になると年間スケジュールがでます。ここだと予約制なので、学校のイベントに合わせて事前に休みを入れるということがしやすいんです。
一般の動物病院だと、「手術が入ったから出て」みたいなことも多々ありましたが、ここはそういう心配もなかったり、よっぽどのことがない限り定時に帰れるというのも大きいです。
磯貝:情報欄に特記事項があって「15歳未満の子育て中の方が対象」と書いてあったんです。「うちは中学生だから該当するな」と思って制度を利用したのが始まりです。
現在は子供の成長に伴い制度も終了しましたが、利用中はとても助けられていました。
土日に私が診察で家を空ける際の、子供たちの食費に使用したり、部活の遠征費用等も、お給料の中からではなく、子育て給付金から充てられるので、当時は本当に気持ちが楽になっていました。
これから入社される方に向けてメッセージをどうぞ。
磯貝:予防医療に関心のある先生や、飼い主さまと会話が足りていないと感じている先生は、一度扉を叩いてみてください。基本的な診療から会計の流れを押さえておけば、1コマ20分間の予約枠をどう使うかは先生次第なんです。
私自身も、お家に迎えたわんこが歯磨き出来なかったことをきっかけにデンタルケアに興味を持ちました。その後ここに入社して、全く違うやり方の先輩獣医師に「好きなようにやっていいよ」と言って貰えて、じゃあデンタルケアをやってみようかなと思い立ち行動に移しました。
ペット予防医療センターは小さなきっかけでも、やりたいと思ったことを自分で行動することによって形にできる職場です。これから入られる方もやりたいことを一個見つけて、それに対してどう動くかということが大切だと思います。
ここは可能性がすごくある職場です。
[ いそがい・さなえ ]
北里大学獣医学部出身。獣医師免許取得後、地方公務員として5年間、勤務。結婚、出産を機に退職し、専業主婦に。子育て中心の生活を10年間送った後、1次診療の動物病院に勤務する。その後、ペット予防医療センターに転職し、現在に至る。