ペット予防医療センターの獣医師を紹介します

ペット予防医療センターでは、総勢およそ30名あまりの獣医師が
各地の診療所で日々、仕事に励んでいます。
[ 0.5次診療 ]という新しい獣医療の現場で活躍する
気鋭の獣医師のみなさんに、お話をうかがいました。

小さいお子さんをお持ちで、 獣医師としてのスキルを無駄にしたくないと思っている方には、 とても働きやすい場所だと思います。

HISAE YAMAUCHI

獣医師/アピタ宇都宮診療所山内久恵

10年間、主婦でした。子供中心の生活をしたかったんです。

---ペット予防医療センターには、いつから勤めていらっしゃいますか?

山内:2016年の12月からアルバイトで勤務しています。曜日を決めて週2~3日、診察していますが、たまに他の診療所でお休みの先生が出た時には、お手伝いに行ったりします。

---大学を卒業してすぐに勤務医になったのですか?

山内:いえ、最初は神奈川県の研究所に就職しました。夫も獣医師なので、一緒に開業するために地元の宇都宮に帰ったんです。

 夫は市内で開業して当初は一緒に働いていたんですが、子供ができたのを機に家庭に入りました。

 子供中心の生活をしたかったんですよ。子育て休業です。そのままほぼ10年間、専業主婦でした。

 子供が中学生になって少し時間に余裕ができたので、自治医科大学の医局にバイト勤務。その後、県庁に入って保健所や動物愛護指導センターなどで働いていました。

夫も獣医師ですけど、この業界、「夫婦同じ職場では働かない」のが鉄則なんですよね。

---ペット予防医療センターに転職されたきっかけは?

山内:県の仕事は収入が安定していますけど、動物に触れる機会がほとんどないんです。動物が大好きで獣医師になったのに、このままでいいんだろうかと悩みました。

 年齢的にもこの辺で臨床に戻らなければ限界だ、と感じたんです。「今、決断しないと後で絶対後悔することになるそ」と思いました。

---ご主人の経営する動物病院へ復帰するという選択肢はなかったのでしょうか?

山内:この業界、「夫婦同じ職場では働かない」のが鉄則なんです。四六時中、一緒だと精神衛生上よろしくないんですね。実際、獣医師同士の夫婦は離婚率が高いですし。

 主人もわきまえていて、「うちじゃ雇えないよ」と言われちゃいましたし。

仕事と家庭の両立はすごく大変。一般の動物病院で子育て中の女性獣医師は、帰りの時間が心配で心配で後ろ髪を引かれる思いです。

めったに仕事が延長することはありません。家庭を持つ女性には、とてもありがたい診察形態です。

---ペット予防医療センターを選んだ理由を教えてください。

山内:完全予約制で残業がほとんどない点と、予防医療への興味です。

 主婦やお母さん先生が普通の動物病院にがっつり復職するのは、正直、難しいと思うんです。診療時間が押してしまって定時に帰れないのがあたりまえですから。

 仕事と家庭の両立はすごく大変です。実際に一般の動物病院で子育て中の女性獣医師は、帰りの時間が心配で心配で後ろ髪を引かれる思いで診療しています。

 その点、こちらは原則、残業なし。ありがたいですよ。

 また診療面では、予防医療という新しい分野に可能性を感じました。

---実際に働いてみて、いかがでしたか?

山内:動物病院では珍しい完全予約制なのが、飼い主さまにも私にもプラスに働いていると思います。

 赤ちゃん検診(4回)は基本無料ですので、みなさん気楽に来てくださいますし、何か気がかりなことがあれば、予約段階でネットや予約センターを通じておよその状態を伝えてくださいます。事前に予想が立つので、あらかじめ準備してお迎えできるのがいいんですよ。だから20分間で診察してお帰しできる。

 めったに仕事が延長することはありません。家庭を持つ女性にはとてもありがたい診察形態かなと思います。

価格を抑えて定期的なメンテナンスに対応するスタイルは、飼い主さまにも動物にとってもよい選択だと思います。

---どんな飼い主さまがいらっしゃいますか?

山内:小学生以下のお子さんがいらっしゃるご家族が多いですね。特に日曜日は半分ぐらいが家族連れです。ワンちゃん、ネコちゃんは1歳前後の仔犬、仔猫が大半です。

 どの飼い主さまも、家族ぐるみで大切にペットを育てていらっしゃいます。考えてみれば、予防医療にお金をかける方というのは意識が高いんですね。

 一次診療の動物病院に来る人の中には「何でこんなになるまで放っておいたの?」と思わず意見したくなるまで病院に連れてこない飼い主さまもいますから。

 その点こちらは、いろいろ勉強して来られる良い飼い主さまが多いですよ。

---0.5次診療について、先生のお考えを聞かせてください。

山内:犬や猫を飼うと15~20年の付き合いになります。ペットの健康寿命を維持するためには予防がとても大切なんですけど、それなりにお金がかかり続けますよね。

 仔犬、仔猫の頃は熱心に病院に連れて行ったのに、途中でやめちゃう人って結構多いんです。「まわりに病気になるペットがいないから、まあいいか」「もう歳だからいいや」みたいに都合良く解釈して、予防にお金をかけなくなる。そういう飼い方をされちゃうと、ペットは病気になる可能性が俄然、高まります。

 その点、価格を抑えて定期的なメンテナンスに対応するペット予防医療センターのスタイルは、未然に病気を予防できる。飼い主さまのみならず、動物にとってもよい選択だと思います。

HISAE YAMAUCHI

獣医さんのボランティアを集めて、猫島のネコちゃんを診に行くのが夢です。

---今後の抱負をお聞かせください。

山内:動物に触れたかったので内勤の仕事を辞めてここに来ました。2年間同じところにいると、飼い主さまとの人間関係が膨らんできます。とてもいい患者さんばかりなんですよ。

「もう大丈夫ですよ」と言っても、

「いや、先生と話したいから月に一度は来たい」と言っていらっしゃる飼い主さまが少なくないんです。頼りにしていただいているので、当分、ここで働き続けるつもりです。

 もうひとつ、これは私の夢なんですが、獣医さんのボランティアを集めてみんなで猫島のネコちゃんを診に行きたいと思っています。

 臨床に戻りたいけど戻れなくて悶々としている女性獣医師の後輩がホントに多くて。彼女たちと一緒に猫島に渡って、去勢・不妊手術や病気の治療に当たれたら幸せです。

診療所は基本ひとりで切り盛りしますが、サポートチームが相談相手になってくれるから安心です。

---最後に、これからペット予防医療センターを就職先に考えている人たちに、メッセージを。

山内:小さいお子さんをお持ちで、獣医師としてのスキルを無駄にしたくないと思っている方には、とても働きやすい場所だと思います。

 時間外勤務もほとんどありませんし。万が一、子供が熱を出して出勤できなくなっても、本部の獣医師サポートチームが応援の獣医さんをかならず手配してくださるので。

 この「自分がいなきゃここが動かない!」という悲壮感がない点が、安心して働ける“肝(きも)”なんだと思っています。

 普段、診療所は基本ひとりで切り盛りしますが、サポートチームが相談相手になってくれる。心強いスタッフが支えてくれるので、復職の第一歩には最適だと思います。

 ただ、宇都宮診療所は予防医療に特化している分、オペをする機会などはありません。獣医師としてのスキルを磨くのに、ここだけじゃちょっと物足りないな、という時は、どこか別の一次診療の動物病院と掛け持ちで働けばいいと思うんです。

 私の場合、いずれ猫島で去勢・不妊手術のボランティアをしたいという夢がありますので、あえて野戦病院みたいな動物病院で週1日、アルバイトさせてもらって腕を磨いています。

 十分、両立しますよ。私の中では絶妙なバランスです。

[ やまうち・ひさえ ]
北里大学獣医学部出身。研究所・県庁勤務を経て2016年よりペット予防医療センターにアルバイト勤務。

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